小さな政府 limited government 2005 9 8
これからの時代は、自民党政権になっても、民主党政権になっても、
「小さな政府」を推進していくでしょう。
しかし、こうした政策(考え方)を、みんな理解していないような感じがして、
不安になります。
おそらく、新聞やテレビで取り上げるから、
「小さな政府は、何となく、よいことだ」と考えている可能性があります。
今までの日本は、「大きな政府」でした。
たとえば、「国土の均等な発達」を目指していました。
日本の場合は、山間部を除けば、人家が均等に広がっているでしょう。
こうした風景を、日本人は、不思議に思わないでしょうが、
外国人から見れば、疑問を感じるかもしれません。
なぜならば、こうした風景は、非常に、経済効率が悪いからです。
もっと、具体的に話をしましょう。
たとえば、平野でも、かなり人里離れた場所に、家を建てたとしましょう。
そういうところでも、ちゃんと、水道を引き、電気も引き、
アスファルトで舗装された道路を作り、
郵便配達があり、新聞配達もあり、時々、役所の人が訪ねてきます。
これもまた、「国土の均等な発達」に分類されるかもしれません。
しかし、これは、非常に経済効率が悪いでしょう。
もし、あなたが、「水道の検針員」や「新聞配達の人」だったら、どう思うでしょうか。
「また、あそこまで行くのか。面倒だな」と思うでしょう。
そんな人里離れた場所に家を建てるよりも、
人家の多いところに家を建ててもらった方が、経済効率がいいでしょう。
外国に行けばわかるように、外国では、都市と都市の間には、
人家もない、無人の、広大な土地が広がっています。
この方が、断然、経済効率がいいのです。
「小さな政府」は、日本語では、ピンと来ないかもしれません。
英語の「limited government」の方が、わかりやすいかもしれません。
「limited」というと、「限られた、限定の」というイメージがあるでしょう。
構造改革 structural reform 2005 7 8
構造改革とは、都市対地方の対立でもあります。
外国に行けば、わかるように、外国では、都市と都市の間には、
人家もない、無人の、広大な土地が広がっています。
この方が、経済効率がいいのです。
それに対し、日本は、山間部を除けば、
均等に、人口が広がっていると言えるでしょう。
これは、今まで、国土の均等な発達を目指してきたからです。
構造改革とは、今までの「国土の均等な発達」ではなく、
外国のような経済効率性を求めるものです。
どちらも、誤りではありません。
誤りと言えるのは、こうした重大な方針を決定するに際して、
一部の政治家や学者が決めていることです。
これでは、「お上が決めたから、国民は従え」ということになります。
こうした重大な方針を決定するには、国民的な合意が必要です。